国立・公立・私立大学、短大、専門学校の学費の比較「入学料・授業料」

進学先により卒業するために必要な学費の総額が大きく異なりますので、国立・公立・私立大学、短期大学、専門学校それぞれの「入学金、授業料、卒業するまでの総額費用」について知っておきましょう。

卒業までに必要な「入学金+授業料」は

  • 国立大学(4年)が約242万円
  • 公立大学(4年)約240万円
  • 私立大学(4年)約400万円
  • 短大(2年)約160万円
  • 専門学校(2年)約240~360万円

となります。文系・理系・医歯系の学費や設備費用については各項目で詳しく説明していきます。

本ページで使用しているデーターについて

入学金の比較「公立大学が一番安い」

国立大学282000円
公立大学(地域内)229365円
公立大学(地域外)392391円
私立大学(文系)229997円
私立大学(理系)254309円
私立大学(医歯系)1073083円
私立短期大学241836円
専門学校約10~30万円

公立大学では地元出身者優遇制度を導入しています。

地元出身者優遇制度とは、各都道府県の地域内に住んでいる人が入学した場合、入学金が減額される制度です。地域内であれば入学金は23万円と国立大学や私立大学よりも安いです。しかし、地域外になると入学金は約39万円と国立大学や私立大学よりも高くなります。

入学金は私立大学(文系・理系)よりも国立大学の方が高いですが、卒業するまでの総額費用は国立大学の方が安いです。

入学金に関しては、ここ5年で値上げも値下げもせずにほぼ横ばいです。

授業料の比較「国立・私立大学の値上げ」

国立大学53万5800円
公立大学(地域内)53万8734円
公立大学(地域外)53万8734円
私立大学(文系)78万5581円
私立大学(理系)110万5616円
私立大学(医歯系)2867万802円
私立短期大学70万3287円
専門学校69万8000円

国立大学

国立大学における授業料の標準額は53万5800円と設定され、標準額の20%の範囲内であれば授業料を引き上げることができます。

2019年から東京工業大学と東京芸術大学、2020年から一橋大学、東京医科歯科大学、千葉大学が授業料を約10万円ほど引き上げました。今後も国立大学で授業料の引き上げが行われる可能性が高いです。

授業料が引き上げられる主な原因は、国から国立大学に対しての助成金の減額、設備費・施設費の増額によるものです。高度な教育を行うためには、それなりの研究施設や設備が必要になります。

設備費・施設費

私立大学とは異なり、国立大学では設備費・施設費を支払う必要はありません。しかし、アクティブラーニングによる設備の導入、パソコンの導入、研究施設の設備導入・維持など、大学とて運営するために設備費・施設費は必ず必要になります。そのため授業料に設備費を上乗せしていると考えられます。

 

※国立大学でも一部の学部では設備費・施設費を支払う必要があります。

私立大学

私立大学「文系」の授業料は約78万円です。「理系」は実験するための研究施設を利用することから授業料は約110万円と高くなります。さらに「医学部」は研究に加えて実習があることから、授業料が約2867万円と高額になります。

国立大学と同様に私立大学の授業料も年々高くなっています。平成30年度と平成26年度を比較すると授業料が6万円値上がりしています。6万円と聞くと安く感じる人もいるかもしれませんが4年間通うと24万円にもなります。

MEMO

私立大学は、文系よりも理系の授業料が約38万円ほど高いですが、国立大学では文系・理系も授業料は同じ金額です。国立大学「理系」は国からの助成金が多く、研究施設の設備が充実し、授業料が安いです。

卒業するまでに必要な総学費「安い国公立大学」「意外と高い専門学校」

国立大学4年242万5200円
公立大学(地域内)4年238万4301円
公立大学(地域外)4年254万7327円
私立大学(文系)4年397万7667円
私立大学(理系)4年541万6925円
私立大学(医歯系)6年1615万327円
私立短期大学2年181万185円
専門学校2年204万1000円

卒業するまでに必要な総学費は「入学金+授業料+設備費・施設費」になります。学部、学科、区分によっては実習費をさらに支払う必要があります。

注意

学費の話から少しズレるのですが、卒業するまでには「教科書・ゼミ研修(旅行)・交通費(定期)・一人暮らしの場合は家賃光熱費など」様々な費用が必要になります。

安い国公立大学

国立大学では授業料の値上げをする大学が増えていますが、私立大学に比べると文系は約155万円、理系は299万円安いです。公立大学は国立大学と卒業するまでに必要な総学費はほぼ同じですが、入学金だけが地域内と地域外で違うことを知っておきましょう。

意外と高い専門学校

専門学校に2年通った場合の総学費は184万1000円ですが、専門学校では基本的に資格を取得するために「実習」が行われます。この実習費と実習するための設備費用が高いため、私立大学文系と総学費がほぼ同額になる場合もあります。

具体例
  • 専門学校|栄養・調理の総学費:(3年)370万円、(2年)270万円
  • 専門学校|理学療法・作業療法の総学費:(3年)437万6000円
  • 専門学校|ゲーム・CG作成の総学費:(3年)379万3000円(2年)270万7000円

専門学校を2年で卒業できる場合は、私立大学文系よりも学費は安くなりますが、3年在籍すると同額になる場合があります。専門学校に進学するにあたって卒業するまでの年数が重要になります。「専門学校=学費が安い」わけではないので要注意です!!

学費負担を少しでも軽くする奨学金制度について

学費を少しでも軽くするための、奨学金制度を利用できる団体を一覧にしてまとめています。

  • 日本学生支援機構(国)
  • 地方自治体交付金
  • 学校が設ける奨学金
  • 民間で設置している奨学金
  • 各新聞社による奨学金
  • 企業が設けている奨学金

奨学金によっては、返済しなくてもいい奨学金、条件をクリアーすれば返済しなくてもいい奨学金、無利子で借りれる奨学金があります。奨学金を借りるための条件が毎年変わりますので、必ず各サイトで詳細を確認にしてください。