小学校、中学、高校、専門学校、大学の総授業時間の比較

何気なく受けている授業ですが、学校で一番授業を長く受けているのは、いつ頃なのでしょうか!?

本記事では、小学校、中学校、高校、専修学校(専門学校)、大学の各学年の総授業時間について、表を使用してまとめています。最後に総授業時間について比較しています。

ではさっそく見ていきましょう!!

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小学校の授業時間

総授業時間総授業時間+他の時間(※1)
小学1年生637.5時間837.5時間
小学2年生682.5時間882.5時間
小学3年生735時間935時間
小学4年生761.25時間961.25時間
小学5年生761.25時間961.25時間
小学6年生761.25時間961.25時間

平成29年3月告示:小学校学習指導要領の資料から表作成

※1「給食の時間+朝の会+帰りの会」

小学校1~4年生にかけて、総授業時間が少しずつ長くなります。

小学校では給食時間は、授業の一環で食育の時間とされているため授業時間に含まれます。(200日×30分=100時間)

また、朝の会や帰りの会で「読書の時間」「ミニテスト」「今日のまとめ」などを行う小学校が多いため、朝の会や帰りの会も授業時間に含めることができます。200日×30分(朝の会15分+帰りの会15分)=100時間

一般の授業に「給食の時間+朝の会+帰りの会=200時間」を足した、表の右側の時間が実際の総授業時間となります。

ポイント

学力低下を防ぐために、平成20,21年に告示された小学校学習指導要領よりも、小学3~6年生の各学年の授業時間は26.25時間も増えています。

 

英語教育やプログラミング教育を行うため、総授業時間はさらに長くなると予想されます。

中学校の授業時間

総授業時間総授業時間+他の時間(※1)
中学1年生845.8時間1045.8時間
中学2年生845.8時間1045.8時間
中学3年生845.8時間1045.8時間

平成29年3月告示:中学校学習指導要領の資料から表作成

※1「給食の時間+朝の会+帰りの会」

中学校も小学校同様に給食の時間は、授業の一環で食育の時間とされているため授業時間に含まれます。(200日×30分=100時間)

朝の会や帰りの会の200日×30分(朝の会15分+帰りの会15分)=100時間

一般の授業に「給食の時間+朝の会+帰りの会=200時間」を足した、表の右側の時間が実際の総授業時間となります。

※部活の時間は、総授業時間に含まれていません。

 

小学校と中学校の総授業時間は、公立学校の総授業時間です。進学校である私立の小学校・中学校では、総授業時間が長くなる傾向です。

高校の授業時間

総授業時間総授業時間+他の時間(※1)
高校1年生719.4時間819.4時間
高校2年生719.4時間819.4時間
高校3年生719.4時間819.4時間

平成30年3月告示:高等学校学習指導要領の資料から表作成

※1朝の会や帰りの会の200日×30分(朝の会15分+帰りの会15分)=100時間

高校を卒業するために必要な最低限の総授業時間は2158.2時間です。上の表は単純計算で2158.2時間÷3で1年間あたりの授業時間を算出しています。

表を見るときに注意してほしいことは、卒業するために必要な最低限の総授業時間だということです。ほとんどの高校では上記の時間よりも総授業時間は長いです。

実際にいくつかの高校を取り上げて、総授業時間を見てみましょう!!

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私立開成高校「偏差値70」

開成高校総授業時間(編入)最低限の総授業時間
高校1年生1050時間719.4時間
高校2年生1079時間719.4時間
高校3年生1020時間719.4時間

開成高等学校教育課程表より表を作成

東京都立千早高等学校「偏差値約50」

千早高校総授業時間最低限の総授業時間
高校1年生904時間719.4時間
高校2年生875時間719.4時間
高校3年生875時間719.4時間

東京都立千早高校教育課程表より表を作成

開成高校と千早高校の表を見てもらうと、どちらも卒業するために必要な最低限の総授業時間よりも授業時間が長いです。

高校3年間で卒業するために必要な総授業時間が2550~2700時間、1年間で870~920時間が平均的な総授業時間です。

これは、工業高校、商業工業、農業高校などの専門高校でも授業時間はさほどかわりません。

ポイント

東京一工や早慶上智など、上位大学への進学者が多い高校では総授業時間が長いです。また、総授業時間に含まれていない、上位大学をめざすための授業を実施している場合もあります。

専修学校(専門学校)の授業時間

総授業時間
1年800時間
2年800時間

専修学校設置基準の概要

専修学校(専門学校)と国から認定されるためには、1年間の授業時間が800時間以上である必要があります。そのため1年間の授業時間を800時間で計算しています。

資格取得をメインとしている専門学校の場合は、総授業時間が長くなる傾向です。資格取得をするための「実習時間」が多いため、必然的に総授業時間が長くなります。

大学生の授業時間

総授業時間Aパターン総授業時間Bパターン
1年生360~390時間480~510時間
2年生360~390時間480~510時間
3年生360時間480時間
4年生360時間

大学設置基準

大学を卒業するために必要な総授業時間は1440~1480時間です。※短期大学の場合は時間÷2で総授業時間を算出してください。

  • 総授業時間Aパターン:4年間で卒業に必要な授業時間をこなす場合
  • 総授業時間Bパターン:3年間で卒業に必要な授業時間をこなす場合

一般的なのはBパターンです。研究室(ゼミ)と卒業論文以外の授業は、3年生までにすべて終わらせ4年生は就職活動に専念します。

資格取得を目標としている学科は、実習の時間があるため上の表よりも総授業時間が長いです。高校社会科教員を目指す場合はプラス1600時間が必要になります。

各学校の授業時間を比較

卒業年数入学~卒業年間
小学校6年5538.75時間961.25時間(小4~6)
中学校3年3137.4時間1045.8時間
高校(最低限)3年2458.2時間819.4時間
高校(平均)3年2550~2700時間870~920時間
専門学校2年1600時間800時間
専門学校3年2400時間800時間
大学4年1440~1480時間480~510時間

小学校は6年間通うため、入学から卒業までの総勉強時間が5538.75時間と長いです。年間で見ると中学校が1045.8時間と一番長いのですが、実際は高校(平均)の授業時間の方が長いです。

中学校の授業時間には、「給食の時間+朝の会+帰りの会=200時間」を足しています。1045.8時間から200時間を引くと845.8時間です。

純粋に授業のコマ数だけで見ると、年間で中学校が845.8時間、高校が870~920時間となり、年間で一番勉強しているのは高校になります。

注目すべき点は大学の授業時間が短いこと

これは学びに対して、小学校、中学校、高校、専門学校と大学では目的が違うためです。

小学校、中学校、高校、専門学校では、「何を学ぶか」は最初から決まっています。国語で覚えなければいけない四字熟語、数学での三平方の定理、英単語・文法、資格を取得するための実習などです。

どれも生徒が自主的に学ぶというより、目標が最初から設定されており、それに向かって勉強をします。

それに対して大学は、目標は設定されておらず、好きな学部学科に入学し、自ら受ける授業を選択し、目標設定を自ら設定します。

私は〇〇について興味がある研究したいから、〇〇の授業を受けて〇〇について研究して、卒業論文を書く流れになります。

大学での授業時間が短いのは、自らの目標設定を成し遂げるために、自由な時間を有効活用することが本来の目的です。例えば、専門書を読んだり、研究を手伝ったり、留学、起業などです。

そのため、大学に入学して「遊ぶ時間が多いぞ~」ではなく、「好きな勉強を好きなだけできる~」という考え方にならなくてはいけません。

小学校~高校までは基礎知識を増やすために「総授業時間だんだん長くなり」、大学では学生の自主性に任せているため「授業時間が短くなる」と知っておきましょう!!

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