小論文はどのように採点され、どのように点数をつけているの!?

2020年度からAO入試が「総合型選抜」、推薦入試が「学校推薦型選抜」、一般入試が「一般選抜」と名称が変わり、各試験で小論文(記述式)を書く機会が増えます。

どのように採点されているかを知ることで、小論文の点数を上げることもできます。

小論文はどのように採点され、どのとうに点数をつけているのか説明していきます。

小論文を採点する一連の流れ

A・B・C・Dの4人の採点官がア・イ・ウの3人の小論文を採点するとしましょう。

  1. 採点する前に、採点方法の共通事項を確認します。
  2. A・B・C・Dの4人の採点官は、それぞれ3人分の小論文を採点します。
  3. 次に2回目の採点をおこないます。
  4. A・B・C・Dが採点した点数の平均がア・イ・ウの点数です。

100点満点の小論文を採点したとすると

アさんイさんウさん
採点官A70点63点58点
採点官B64点72点68点
採点官C82点73点60点
採点官D74点80点70点
平均点数72.5点72点64点

点数が最も高いのは「アさん」、低いのが「ウさん」です。

なぜ複数人で採点をするのか

例えば、田中さんの小論文の点数は「採点官Aが50点」「採点官Bが58点」「採点官Cが55点」「採点官Dが94点」だとしましょう。

採点官Dの小論文の点数94点があまりにも高すぎです。

  • 「Dの人の点数高すぎない!?」
  • 「(オ)さんを、入学されたいから高得点つけているんじゃないの?」

となるわけです。

それを阻止するために、最高得点を付けた人と最低点を付けた人の点数を除いて平均点を算出します。

この場合は、最高得点を付けた採点官Dと最低点を付けた採点官Aの点数を除いた採点官B,Cの58+55÷2=平均点56.5点です。

あと、もうひとつ説明しなければいけないことがあります!!

2回目の採点をなぜおこなうかです。

ペンタマニア

理由は、「点数ならし」をするためです。

example

100点満点の小論文で100人採点するとき、1人目の小論文はよく書けているので90点にしました。

 

10人目を採点した人が、1人目よりよく書けているので100点にしました。

 

50人目に採点した人は、10人目よりよく書けていたので105点にしました・・・とは100点満点の試験ではできません。

 

そこで、1回目の採点では1~5人目に読んだ人の文章を60点~70点の基準点として残りを採点します。

 

しかし、これでは1人~5人目の人は、基準点として採点されてしまうので不利になります

 

そのために、1回目の採点で全体の小論文のできを知ったのちに、2回目の採点をおこない平均点が60~70点になるように「点数をならして」採点しなおします。

小論文の採点方法は加点方式と減点方式

小論文は加点方式減点方式で採点されています。

  • 加点方式:優れた内容に対して点数を加算して採点すること
  • 減点方式:悪い内容に対して点数を差し引いて採点すること

配点は大学により異なりますが、標準的な配点が以下となります。

  • 誤字・脱字・・・・・10点
  • 文字数・・・・・・・10点
  • 文章表現・構成力・・20点
  • 資料分析力・・・・・20点
  • 意見論述・・・・・40点

誤字・脱字

誤字・脱字は減点方式で採点されます。

単語や漢字を間違えて使用した場合は、1点もしくは2点減点されます。同じ単語や漢字を2度間違えて書いた場合は減点されません。

5~10単語以上間違えても、誤字・脱字の項目で減点されることはないですが、文章表現・構成力の項目で減点されることがあります。

文字数

文字数は加点方式減点方式で採点されています。

加点方式の場合は、制限文字数の7割以上で3点、8割以上で7点、9割以上で10点

減点方式の場合は、制限文字数の8割以下の場合は、10点減点

7割書けばギリギリセーフとか8割書けば合格点とか言われることがありますが、できるだけ9割以上書いてください。

1000文字書かなければいけない小論文で8割だと800文字です。残り200字は原稿用紙1枚400字ずめの用紙の半分を書いていないことになります。

2000文字書かなければいけない小論文で8割だと1600文字です。残り400字は原稿用紙1枚400字ずめを書いてないことになります。

採点者側からすると、意見を書くだけの十分な知識や意見がないと思ってしまいます。そればかりか、文章表現・構成力がないと思われてしまうので、できるだけ9割以上書いてください。

文章表現・構成力

文章表現・構成力は加点方式で採点されています。

文章表現とは、単語や専門用語、接続詞・助詞を正しく使えているか。文章にまとまりがあるのか。

構成力とは、序論・本論・結論の順に書かれているか。

資料読解力や意見論述が素晴らしくても、文章表現と構成力がないと、全体的に稚拙な文章となり採点官に悪い印象を与えます。

資料分析力

資料読解力は加点方式で採点されています。

図・グラフ・文章を適切に理解しているかが、評価対象になります。

資料読解力では、自分の意見ではなく、資料を適切に理解して活用することが重要です。

意見論述

意見論述は加点方式で採点されています。

資料を適切に理解し、設問で問われている内容に基づいて意見を論述します。

よくありがちなのが、

  • 問1で資料についてまとまなさい
  • 問2で○○について述べよ

問1でまとめた内容を無視して、問2に自分の意見を書く人がいます。

この書き方は点数がつかないです。

なぜ、問1があるのか考えてみてください。

みなさんに問2の「○○についてを述べよ」が書きやすくなるように、わざわざ問1で「まとめ」の問題を出題しています。

また、奇抜な発想や表現は、合格するか、合格しない、賭けをしているようなものです。

大学によっては、すごい発想だと高得点をつけてもらえる場合もありますが、大抵の場合「何かいてるの?」となります。

設問の意図を読み取ることが重要です。

ペンタマニア

大学入試の小論文が高校生に求めていること

大学は、「自らテーマを設定して、自らテーマに対して解決することができる人」を求めているために小論文の試験を導入しています。

  • 新聞や本を読んでいるのか
  • 時事問題を知っているのか
  • きちんとした文章を書けるのか
  • 社会に対して問題意識をもっているのか

大学は小論文で受験生の「本当の能力」を見極めようとしています。

小論文を採点してもらい分析する

誤字・脱字、文字数については自分で見返せば、どこが間違っていたのかある程度はわかります。

しかし、意見陳述、資料分析や文章表現・構成力は自分がどこが間違っているのか、何を改善すればいいのか判断するのが難しいです。

そこでお金をかけない方法としては、国語の先生に小論文を採点してもらいましょう。配点は本番とは違いますが、良き先生であれば的確な指導をしてくれるはずです。過去問などを解いて採点・添削してもらいましょう。

学校の先生が対応してくれないとき、できるだけ安く小論文を添削してもらうのであれば、通信の「進研ゼミ」の小論文講座をおすすめします。

進研ゼミはデジタル講義+基礎編2回+実践編5回の計7回の添削が17800円で、11テーマの中から自分にあったテーマのコースを受講できます。

小論文は添削するために、どうしても受講料が高くなる傾向です。通信Z会も年12回で57000円で予備校なども3~5万円の費用になってしまいます。そのため比較的進研ゼミの小論文講座は安いです。

どうしても小論文はだれかに添削してもらわないと上達しないので、どんな方法でもいいので誰かに採点してもらい自分の実力を早く知りましょう。

通信制の塾で小論文を採点してくれるのは「進研ゼミ」と「Z会」
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