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江戸時代の師匠(教師)は聖職者として、お金を求めずに子供たちに対して勉強を教えていました。
第2次世界大戦後には、学習指導要領が試案であり法的拘束力がないことから、教師は倫理綱領を重んじて、児童・生徒に指導することにより報酬を得る労働者でした。
現代の教師は、教育免許所を取得することが求められ、10年に1回免許更新が義務となり、教育基本法と学習指導要領の範囲内で、児童・生徒に指導する専門的知識を必要とする職業となりました。
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現代の教職が他の職業と異なる点
教職の専門性について
教職(教師)が専門的・技術的職業であるのか議論が絶えません。
教職が「専門的・技術的職業である」という考え方と「専門的・技術的職業ではない」という考え方の両方について取り上げます。
「専門的・技術的職業である」
教職は教えを導く専門的・技術的職業であるという考え方
教師は児童・生徒の将来への責任、保護者への責任、社会への責任、国への将来の責任を持たないといけません。
教職が専門的・技術的職業であると考えられる理由は複数ありますが、今回は4つ取り上げたいと思います。
- 教科に対する高度な専門的知識が求められ、児童・生徒に対して正しい知識をわかりやすい方法で教え適切な評価をする力
- 興味や関心を持てるような教材開発力
- 児童・生徒の能力、正確、心理状態、人間関係、家庭の状況を理解して指導する力
- 学級(クラス)、委員会、部活動を望ましい方向に導く、マネジメントする力
教職は「探究力」「教科の専門知識」「指導力」「自律性や総合的」「人間力」が求められるため、教師は専門的・技術的職業であるという考え方です。
「専門的・技術的職業ではない」
教職は教えを導く職業ではあるが、専門的・技術的職業ではないという考え方
教育基本法や学習指導要領で、指導する内容や方向性がある程度決まっているため教師の裁量は少ないです。
教科では高度な内容と教材開発が求められますが、取り扱う内容はさほど難しくなく塾でも同じことをしています。学校よりも塾の方が、教育基本法や学習指導要領に縛られることなく授業を展開できるため、学力を上げるのは塾の方が向いている。
マネジメント力やコミュニケーション力は対象が子供か大人の違いで、他の職業でも求められる能力である。
教職で必要な能力は、他の職業でも求められる能力のため、教職が専門的・技術的職業とは言えない。
さいごに
社会に大きな変化があり、学習指導要領が改訂すると教職の専門性も変化します。
平成29・30年に学習指導要領が改訂し、実行することで教職の専門性にも変化がでてきます。
- 教職課程認定基準等の改正(2017)
- 学習指導要領の改訂(2017・2018)
- 教職課程の再課程認定と新教職課程での養成教育の実施(2019)
- 公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の改正(2019)
『新・教職入門改訂版』は現職教員の参加も得て最新の資料をもとにして執筆された教職入門書です。
これから教師を目指す方も、現在教師の方も教職の専門性についてポイントを再度、押さえておきましょう。