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「道徳」の定義
「道徳教育」と「道徳の時間の指導」について説明する前に、「道徳」の定義について説明する。
基本的にヒトは1人で生きることはできず、ヒトは集まり社会(コミュニティー) を形成する。
社会が形成されると、社会で生きていくための社会規範が生まれ、ヒトは規範を学び人間という社会的な存在となる。
要するに、人間社会で生きていくために必要な社会規範を学ぶことが「道徳」である。
「道徳教育」
「道徳教育」とは、道徳を身に着けて人間として自立させ、「人間は如何にして生きるべきか」を教える学ぶことである。
他律的な段階においては、学校以外に家庭や地域社会も道徳教育において重要な役割を果たしている。
自分の意志によるものでなく、他からの命令や束縛によって行動すること
(広辞苑第5版 岩波書店)
なぜならば、例えば「躾(しつけ)」を教えるときに、他律的な段階では、学校だけですべてのことを教えることはできない。
生徒が社会的な存在である以上は、様々な経験をするためにも学校外での道徳教育を学ぶ必要性がある。
また、「躾」であれば道徳の授業以外の各教科や特別活動等でも学ぶことができる。
留意すべき事は、他律的な段階から自立的な段階へと生徒が変化するのを察知して、すべてことに対して意見を述べるのではなく、児童生徒の経験を重視するために見守ることも必要になる。
「道徳の時間の指導」
「道徳の時間の指導」は、学校で「道徳教育」を実践する時間である。
まず何よりも重要なのは、教師と生徒、生徒と生徒の信頼関係である。
そして、お互いが本音を出せる環境を整え、教師は普段から防衛的風土ではなく支持的風土の環境を整えるように心がけなくてはならない。
また、個別的な学習方法と集団的な学習方法により多様な価値観を受諾させ、自律性と自発性を重視して各自が問題を自律的、自発的にとらえることができるよう学習指導案を作成ことが重用になる。
指導方法としては、問答法、話し合い、役割演技、実践活動や教師の説話など、それぞれのクラス風土、クラスの特徴、テーマに応じて授業展開することが望ましい。
最後に、あくまで道徳教育は学校教育全体を通しておこなうことが重要であるが、道徳の時間はその核となる時間でもある。担任教師の人間に対する深い愛情や人間力と人となりにより、人間として好ましい生き方を見つける道徳教育を授業ではおこなうことは重要である。