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センター試験が2020年(令和2年)で終わり、大学入試共通試験が2021年(令和3年)から実施されます。
2019年4月に高校2年生になった人たちから対象になります。
そもそもどうしてセンター試験から大学入学共通テストに移行するのか。各教科の出題方式、採点方式がどのように変わるのか。どの科目がいつから実施されるのか。
変更点を中心に詳しく説明します。
センター試験から大学入学共通テストに移行する理由
現代そして未来の社会に、対応できる人材を育成するために、10~15年ごとに教育内容が見直され「教育改革」が行われます。
教育改革の一環として「三位一体改革(高校の教育、大学の教育、大学入試の改革)」が行われ、「大学入試の改革」が教育改革に含まれているために、センター試験から大学入学共通テストに移行します。
ここからが重要になってきます。
ではセンター試験から大学入試共通テストに移行したことで、試験を受ける人たち(受験生)に何を求めているのか。
重要になるキーワードが「学力の3要素」です。
- 知識・技能
- 思考力、判断力、表現力
- 主体性を持って多様な人間と協力して学ぶ態度
これらの「学力の3要素」を評価するために、大学入学共通テストではセンター試験の「知識・技能」に加え、「思考力・判断力・表現力」を評価しようとしています。
要するに、センター試験のマークシート式だけでは、「知識・技能」しか評価できないから、筆記の問題を出題して「思考力・判断力・表現力」も評価しよう!!
という考えです。
「知識・技能」に加え「思考力・判断力・表現力」
となります。
では次に各科目の出題方式、採点方式が、どのように変わるのか見ていきましょう。
英語はどのように変わるのか
英語がもっとも変更点が多いので注意してください。1つ1つ丁寧に説明していきます。
英語では何を重要するのか
いままでのセンター試験では「読む」「聞く」しか評価することができないため、民間事業者(英検・TOEFL・TEAP・ケンブリッジ英語検定etc)を利用して「話す」「書く」も評価しようとしている。
2023年までは2つの選択肢がある
①大学入試共通テストで「英語」を受ける
制度の変更の影響を考え2023年までは、大学入試共通テストでセンター試験と同じような「マークシート式」の試験を実施します。
いままでのセンター試験であれば、英語200点、リスニング50点でした。
2021~2023年の大学入試共通テストでは、英語100点、リスニング100点になります。
②民間事業者(英検・TOEFL・TEAP・ケンブリッジ英語検定etc)を利用
「英語」は民間事業者(英検・TOEFL・TEAP・ケンブリッジ英語検定etc)の点数や級をCEFR(外国語の学習・教授・評価のためのヨーロッパ言語共通参照枠)の基準A1~C2に当てはめ大学側が評価します。
英検2級、TEAP225~308、TOEFL IBT42~71であれば、上位・中位校に対応できると言われています。
注意してほしことは、各大学が民間事業者の検定をどのように扱うか方針が決まっていないことです。
※TOEICは利用できなくなりました。
民間事業を利用した検定試験は、高校3年の4月~12月の間に受けた2回の試験結果しか大学に送付できません。試験を受けるチャンスは2回のみ
まとめ
2021年~2023年までは、大学入試共通テスト「英語」と民間事業者(英検・TOEFL・TEAP・ケンブリッジ英語検定etc)両方を選択して利用することができる。
2024年以降は、民間事業者(英検・TOEFL・TEAP・ケンブリッジ英語検定etc)しか利用できなくなるが、今後の影響次第では変更する可能性が高いです。
国語はどのように変わるのか
国語は1分野となる
いままでのセンター試験は
- 現代文
- 古文
- 漢文
3分野に分け採点し大学に成績を提出していました。
そのため、センター試験の現代文の成績のみを利用した受験が可能でした。
しかし、大学入試共通テストでは、現代文、古典、漢文のすべての分野を「国語」として扱い、それぞれの分野で何点とれたのか、大学にはわからないようにすることが検討されています。
要するに、現代文、古典、漢文の合計点のみを大学側に伝えます。大学側は、1分野(現代文・古典・漢文)のみでの受験方式を導入することができなくなります。
記述式
現時点では、記述式の問題は現代文のみで行う予定です。
記述式の問題は3問出題されます。
- 20~30字の問題
- 40~50字の問題
20~30字と40~50字の問題は4段階評価をします。
- 80~120時の問題
80~120時の問題は5段階評価で20~30字と40~50字の問題よりも1.5倍の評価がされます。
重要なポイントは点数ではないということです。
A,B,C,D,Eなのか1,2,3,4,5にするのか、どうするのか解りませんが、82点や43点などの点数による評価はしません。
試験時間の変化
いままでは現代文は80分の試験でしたが、記述式問題が出題されるため試験時間が20分長くなり合計100分になります。
採点について
記述式の問題の作問、出題、採点はセンターが行います。
重要なポイントは、記述式採点には時間が必要なため民間業者を利用する点です。
そしてこの記述式採点を行うのがベネッセグループになります。
センターから正答の条件や採点基準をベネッセに伝えることになります。
ベネッセだけが、大学共通セストの「国語と数学」について、記述式の情報を知ることになります。
となると、ベネッセの教材や進研ゼミ高校講座のテキストでは、記述式方式のノウハウが書かれるのではないか?
そうなると進研ゼミの教材を購入する人や通信講座を受講する人が増えるような気がします。
ベネッセだけに正答の条件や採点基準を教えるのか、それとも情報はオープンにするのか、いまの時点では記述式試験のノウハウをベネッセだけが知ることになります。
数学はどのように変わるのか
記述式問題
記述式の問題は3問出題される予定です。
出題範囲は「数学Ⅰ」になります。
どのように採点されるかは未定です。
試験時間の変化
試験時間は、現行の60分からマークシート式と記述式問題を合わせた70分になります。
採点について
国語同様に、記述式の問題の作問、出題、採点はセンターが行います。
記述式採点を行うのがベネッセグループになります。
理科と社会について
理科と社会は2024年度から記述式問題が導入される予定です。
国語と数学の記述式で様子を見てから、具体的な内容の発表があると思います。
さいごに(これからの手続き)
手続き的に、これからやらなければいけないことは、高校2年生と高校3年生の人は、2019年11月中旬に「共通ID」を発行しましょう。
通っている学校が手続きの指示をする予定になっています。
※2019年に高校3年生の人は浪人したときに「共通ID」が必要になります。
「共通ID」がないと英語の民間資格(検定)を利用することができません。
英語の民間資格(検定)活用を賛成する団体、反対する団体などがニュースで取り上げられていますが、大学共通テストは2021年から実施されます。
とにかくあらゆる媒体から情報収集を行い、最新の情報を入手してください。
※新しい情報がでましたら、追記していく予定です。