2020年(2019年)の大学一般入試・推薦入試・AO入試の傾向と難易度

大学一般入試・推薦入試・AO入試利用の入学者は増加する傾向

文部科学省の「平成29年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況」によると、大学入学者の約55.3%が一般入試、35.2%が推薦入試、9%がAO入試、0.6%が帰国子女入試・社会人入試を利用しています。

少子化にもかかわらず、平成27年~29年の大学入学者数は増えています。

  • 平成27年が60万8078人
  • 平成28年が60万8233人
  • 平成29年が61万6584人

次に選抜方式ごとに見てみると

  • 一般入試は年平均約500人増加
  • 推薦入試は年平均約400人増加
  • AO入試は年平均約1000人増加

ここで、入学者が増加傾向である理由を、大学側の視点・高校生の視点でまとめました。

大学側の視点
  • 新たな学部学科を新設して少しでも優秀な学生が欲しい!!
  • 国立大学は「運営交付金」、私立大学は「私学助成金」を確保するために、国が推進する教育事業にマッチングする学生が欲しい!!
  • パソコン・電子黒板・e-ランニング設備など、電子機器の導入やメンテナンス、学生の相談を聞くカウンセラーなど、施設費や人材費が必要なため、学生の学費が欲しい!!
  • 今後、全国の高校が授業料無償化になれば、いままで高校に支払っていた学費を大学に支払ってくれるかもしれない。新たな学部学科を新設して先に受け皿を作ってしまおう!!
高校生の視点
  • 将来が不安なので、とりあえず大学を卒業して、正社員として働きたい!!
  • 一般的に高卒・専門卒・大卒で、お給料が一番高くなるのは大卒だから大学にいきたい!!

2020年(2019年)も大学側は「学生が欲しい」高校生は「大学に行きたい」流れはかわらず、一般入試・推薦入試・AO入試を利用した入学者数は増加すると考えられます。

大学側の視点に関しては、これ以外にも学生を増やしたい理由は多数ありますが、詳しく説明するには3000字(1記事)ほど必要なので、機会がありました関連記事を書きます。

次は、一般入試・推薦入試・AO入試の傾向と難易度について書いていきます。

先を読む前にちょっと待ってください!!

ここから「難関大」・「上位大学・中位大学・下位大学」・「東京一工」・「早慶上智」など、大学群や大学の名称に関する用語がでてきます。

なんとなくは知ってるけど、少し曖昧だと思う方は、こちらの記事を読んでみてください。

【これだけは覚えておきたい】大学群名称まとめベスト15

上位・中位大学のAO入試は難しく、下位大学のAO入試は定員数確保目的

AO入試の期間は8月から翌年の3月です。

選考方法は、書類審査・学力試験・実技試験・面接・レポート・ディスカッション・小論文・プレゼンなど、大学により選考方法は異なります。

大学の各学部学科に合う生徒を求める試験のため、上位・中位大学ではAO入試合格者が0人になることも多々あります。

また、上位・中位大学では、評定平均3.8以上、英検やTOEFLである一定上のスコアや何かしらの資格がないと、AO入試に申し込むことすらできない学部学科もでてきました。

それに加え、面接・学力試験・ディスカッションをおこなわなければいけないので、上位・中位大学のAO入試の難易度は非常に高いです。

しかし、下位大学のAO入試になると事情が変わってきます。

大学の学部には定員数が定められています。

定員割れすると国から「運営交付金」や「私立助成金」がもらえなくなります。

要するに、

入学者数が減ると国からお金がもらえなくなり、大学を運営することができなくなってしまう・・・

そのために、AO入試である程度の人数を確実に確保しようと大学側は考えるわけです。

評定平均もあまり高く設定せず、英検やTOEFLの資格なども必要なく、AO入試を申し込むことが出来ます。

実際、下位大学では募集人数よりも多くの合格者を出します。

上位・中位・下位大学の推薦入試の傾向と難易度に変化なし

推薦入試の期間は10月から12月です。

大学側からすると入学者の35%が推薦入試で決まります。

選考方法は、評定平均・面接・学力試験・小論文など、大学により選考方法は異なります。

推薦入試は公募制と指定校制があります。

  • 公募制:大学が求めている評定平均を満たし、高校の推薦があれば出願することができる
  • 指定校制:大学が高校別に枠組みを設けており、校内で評定平均の基準を満たしたものが、出願することができる

推薦入試の傾向と難易度にあまり変化がおこらない理由は、評定平均の分類にカラクリがあります。

文部科学省により定められた「大学入学者選抜実施要項」で評定平均は以下のA~Eの5つに分類されます。

  • A(5.0~4.3)
  • B(4.2~3.5)
  • C(3.4~2.7)
  • D(2.6~1.9)
  • E(1.8以下)

大学の各学部学科はA~Eに分類されます。

例えば!!

ペンギン大学経済学部経済学科は、C(3.4~2.7)と定められた場合、評定平均が2.6以下の高校生は受験できません。

ペンギン大学経済学部経済学科は、受験者数を増やすために評定平均を2.7以上にするのか、学生の質を高めるために評定平均を3.4以上にする程度の選択しかできません。

大学は評定平均の数値を範囲内で決め、高校は学習指導要領に基づいた成績をつける、そのために、推薦入試の傾向や難易度は変わりにくいのです。

ただし、前年よりも求められている評定平均の数値が、上がったり下がったりしている場合は、大学側が推薦入試の方針転換をした可能性が高いので要注意です。

上位大学の一般入試傾向と難易度に変化なし、中位・下位大学は一般入試の方式がさらに多様化

一般入試の期間は12月から3月です。

大学側からすると入学者の55%が決まります。

選考方法は学力試験になります。

センター試験

2020年(2019年)の大学入試センター試験は、いままでと同じマークシート式の出題形式となります。

上位大学の一般入試

「東京一工」「旧帝大」「早慶上智」などの上位大学は、入試傾向と難易度に大きな変化はありません。

しかし、英語や国語で読む文章量が増えた、記述式の問題が出題されるなど、科目ごとの変化はあるかもしれません。

中位・下位大学の一般入試

ここ数年で、中位・下位大学の一般入試の方式が多様化しています。

約15年前は、全学部統一試験や2科目型受験は、ほとんどの大学が採用していませんでした。

約10年前から全学部(学群)統一試験や2科目型方式の試験がおこなわれるようになりました。

ここ数年で方式はさらに多様化し、全学部統一試験2科目型や3科目型、1科目型方式英語を必要としない2科目型方式の試験もおこなわれるようになりました。

そして多様化の流れは止まらず、一般入試で英検2級やTOEIC500点以上であれば、英語の科目試験は免状となり、残り好きな科目を1科目受験する新たな方式出現しています。

ここまで多様化した理由

  • 少しでも優秀な学生を確保するため
  • 大学を運営するため、少しでも多くの人に受験してもらい受験料を支払ってほしい
  • 一般入試での学部学科の偏差値を上げるため

大学受験を一般入試で考えている人にとって、自分に適した試験方式を選ぶことができます。

大学側からすると、一般入試は学部の定員数を調整する側面もあります。

AO入試や推薦入試で合格者が少ない場合は、一般入試で多く合格者を出す傾向がありますので、AO入試や推薦入試の合格者の人数も少し気にしてみてください。

最後に

AO入試・推薦入試・一般入試と説明してきたわけですが、

大学にとって入試とは、優秀な学生を確保することが目的で、また学校を運営する資金を集める場でもあります。

先ほども書きましたが、2020年(2019年)は大学側は「学生が欲しい」高校生は「大学に行きたい」流れはかわらず、一般入試・推薦入試・AO入試を利用した入学者数は増加すると考えられます。

大学合格の近道は勉強することですが、入試に関連する情報を集めることにより、新たな発見があるかもしれないので、入試に関する情報収集にも少し目をむけてみてください。