学校で編成する教育課程の意義と重要性について

学校で編成する教育課程の意義、及び各学校が教育課程の基準を踏まえて、創意工夫を生かして適切な教育課程を編成する重要性について説明します。

学校で編成する教育課程とは

文科省によると、学校で編成する教育課程とは「学校教育の目的や目標を達成するために、教育の内容を児童生徒の心身の発展に応じ、授業時間との関連において総合的に組織した学校の教育計画である」と定義しています。

文部科学省:学習指導要領等の理念を実現するために必要な方策

要するに、教育課程とは「学校の教育活動全体についての基本計画」のことです。

MEMO
  • 教育基本法
  • 学校基本法
  • 学校教育法施行令
  • 学校教育施行規則
  • 学習指導要領

に関する法令を遵守しなければいけません。

なぜなら、教育課程の編成で各学校が創意工夫することが大切とされていますが、教育基本法における教育の機会均等も確保しなければいけないためです。

また、学校教育法施行規則の規定に基づき教育課程の基準として学習指導要領が定められています。各学校は学習指導要領の内容を踏まえたうえで、教育課程の編成を創意工夫することが求められます。

適切な教育課程を編成する重要性

中学校学習指導要領では、

  • 第1章総則第1-1:「生徒の人間として調和のとれた育成を目指し、地域や学校の実態及び生徒の心身の発達段階や特質性を十分考慮して、適切な教育課程を編成」
  • 第1章総則第1-2:「道徳の時間はもとより、各教科、総合的な学習の時間及び特別活動のそれぞれの特質に応じて、生徒の発展の段階を考慮して、適切な指導を行われなければならない」

文部科学省:中学校学習指導要領

と記載されています。

このことから、教育基本法で教育の機会均等の確保が定められているが、地域や学校により生徒の発達段階が異なり、それらを考慮する必要性があるために、学校の自律性が容認され各学校が教育課程を編成・実行することが重要であるとされています。

日本は単一国家ではあるが、地域ごとにより文化、伝統、自然、働き方には特色があり抱えている問題もさまざまです。地域に根差した人材を育成する観点からも学校が教育課程を編成・実行することが重要であるとされています。

さいごに

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