全学部統一入試と一般入試の出題形式が変わるのはなぜ?

大学受験を全学部統一入試と一般入試で考えている人は、過去問を解きますよね。

3~5年分の過去問を解いていると、「あれ?」5年前の出題形式が1年前と違うんだけど・・・

ということありませんか?

そこで、全学部統一入試一般入試の出題形式が変わる理由について説明したいと思います。

全学部統一試験

いきなりなんですが、全学部統一入試って不思議な試験だと思いませんか?

センター試験

大学に入学を志願する者の高等学校段階における基礎的な学習の達成の程度を判定することを主たる目的とするものであり、各大学が、それぞれの判断と創意工夫に基づき適切に用いることにより、大学教育を受けるにふさわしい能力・意欲・適性等を多面的・総合的に評価・判定することに資するものです。

独立行政法人大学入試センター「センター試験の運営仕組み・運営」http://www.dnc.ac.jp/center/shiken_gaiyou/index.html

一般入試
大学の各学部が求める人材を確保することが主たる目的でおこなわれる試験で、出題形式は大学の各学部により異なる。

では、「全学部統一入試は何が目的なの?」となるわけです。

大学により異なりますが、全学部統一入試の出題形式は、どことなくセンター試験に似ていませんか

ほとんどの大学はセンター試験と同じマークシート方式を採用しています。

引っ掛け問題は少なく、純粋に各科目の基礎をきちんと理解しているかを確かめています。

そのために、全学部統一試験の合格点は一般入試の合格点よりも高いです。

また、センター試験が終わったあとに、一般入試よりも先に全学部統一入試がおこなわる大学が多いですよね。

要するに、全学部統一入試は「各大学が作成したセンター試験」みたいなものです。

センター試験当日に体調が悪かったり、本来の実力がだしきれない人をターゲットにしています。

全学部統一入試の出題形式が変わるのは、センター試験の出題傾向が変わったときです。

次に全学部統一入試に変化があるのは、大学入試センターから大学入学共通テストにかわる2021年1月以降だと考えられます。

一般入試

問題作成しているのは先生

大学の先生は、研究と学生の指導以外に、大学を運営するためにどこかの委員会に所属しています。

大学入試の試験問題は、各学部の入試担当委員会に所属している大学の先生たちが作成しています。

※大学により委員会の名称は異なります。

入試担当委員会に所属している先生は、3~5年で他の委員会に移ります。

要するに、試験問題を作成する先生が変わるので出題形式が変わるわけです。

しかし、必ずしも入試担当委員会のメンバーが変わったから、問題が変わるわけではありません。

なぜなら、受験者数が多く就職の内定率や進学率が高い大学は、わざわざ出題形式を変えません。

出題形式を変えなくても優秀な学生が集まってきますので。

学部長

「学部長」が変わった年に出題形式が変わりやすいです。

学部長の方針は学部全体に反映され、学部の目標や求める人材像が変わります。

そのため、必然的に試験問題の出題形式も変わります。

高校生の参加人数が多い、夏のオープンキャンパスでは、

学部長が「これからは、○○な人が社会で求められているから○○の意欲がある高校生に来てほしい!!」

と学部ガイダンスで話すことがあります。

パンフレットには、掲載されていない学部長の本音が聞けるかもしれません。

時間に余裕がある人は、オープンキャンパスに参加して情報収取してみてください。

社会で求められる人材像の変化

ここ数年、大学が就職活動に力をいれ、「内定率」を少しでも上げようとしています。

昔より高校生や親御さんが、大学を選ぶ基準として「内定率」を重要視するようになったからです。

本来は、大学は「職業訓練」する場ではなく、「学問」を学ぶ(研究)する場なんですけどね。

これも時代の変化なのかもしれません。

大学は「内定率」を上げるために、少しでも「社会で求められている人材」を育成したいんです。だから、就職活動に関連する授業をおこない、就職イベントを学内でも開催します。

一般入試でも、「社会で求められている人材像」にマッチングする人に入学してもらいたいので、試験の方法や出題形式が変わります。

特に、言語に関する一般入試の試験は、グローバル化、外国人観光客の増加、オリンピック開催と学習指導要領の一部改正により大きく変化しています。

英語の長文問題は読む量は増え、会話形式での問題の出題数が増え、覚えなければいけない単語数も増えています。

また10年前は、一般入試で語学に関する資格を取得しても、英語の試験でアドバンテージを受けることできませんでした。

しかし、現在は英検、TOEIC、TOIFLである一定のスコア以上であれば、英語の試験免除してくれる一般入試もあります。

 

注意点としては、「社会で求められる人材像」は急激には変化しませんので、あまり先読みしすぎなくても大丈夫です。

「社会で求められる人材像」の変化により、一般入試の出題形式が変わる「一つの要因」であると、頭の片隅に留めておいてください。